◆得られる電力と使える電力、効率の考え方
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2004/08/27
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電力のおおもとは、当然ながら空気の動くエネルギーです。空気の動く速さ、つまり風速は一定ではなく、常に早くなったり遅くなったりしています。それに合わせ、空気の動くエネルギーも大きくなったり小さくなったりしています。
ある速さで動く物のエネルギーは、(重さ)x(速さx速さ)÷2と書けます。 動く空気の重さは、1秒間に通り抜ける空気の容積分の重さです。1平米の窓を1秒間に通り過ぎていく空気の容積は風速分の長さを一辺とする立方体になるので、(風速)立米となります。1立米の空気の重さは約1.2Kgあるので、動く空気の重さは(風速)x(窓面積)x1.2Kgとなります。ですので、風のエネルギーは、(風速)x(窓面積)x1.2x(風速x風速)÷2となります。これから、風のエネルギーは窓面積(翼の回転面積)に比例し、また風速の3乗に比例することがわかります。
1平米の窓を通っていく風のエネルギーを風速1m/秒ごとに計算すると、次のようになります。 1m/秒 0.6w <− 1x1x1.2x(1x1)÷2 2m/秒 4.8w <− 2x1x1.2x(2x2)÷2 3m/秒 16.2w <− 3x1x1.2x(3x3)÷2 4m/秒 38.4w <− 4x1x1.2x(4x4)÷2 | | | 12m/秒 1036.8w <− 12x1x1.2x(12x12)÷2
このように計算していくと、同じ空気の動きであっても、4m/秒程度のそよ風と12m/秒の嵐の時とでは、風のエネルギーはけた違いに異なることがわかります。 最初に述べたように風速は一定ではないので、風のエネルギーも3乗で大きくなったり小さくなったりしています。また、これまで計算してきたのは風のエネルギーであり、この全部100%が風車(発電機)の回転力になるわけではありません。 理想風車でも59% 実際には20%〜45% 縦軸型風車の場合、発電機効率まで入れて約20〜25% バッテリへ蓄電した後は、発電充電時とは無関係な独立した効率を考えます。 バッテリの電力供給能力は、蓄電容量、温度、経年変化の度合いにより影響を受けます。 損失としては、一日あたり蓄電容量の1%程度の電力を失っていきます(自己放電)。 100Wの電気機器を接続した場合、バッテリからは125Wの電力が取り出されます。
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◆風の通り道を探しましょう!
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2004/08/20
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風には、通り道があります。大きな通り道と、小さな通り道があります。
1)大きな「風の通り道」 一つが、高気圧から低気圧へ向かって吹く風です。日本全体をすっぽり包む大きな空気の流れですが、日本列島を横切る時に大きな山脈の影響を受け、大きな谷沿いの通り道や、山の斜面を吹き上がったり、吹き降ろしたりする通り道ができます。季節ごとの典型的な気圧配置によって、ほぼ毎年表れる風の通り道があり、これらには昔からそれぞれの地方で呼び名がつけられて、人々の生活の一部となって今に伝わっています。
大きな低気圧によって引き起こされるのが、ご存知、台風による強風・暴風です。台風の進路により、風の吹き方は大きく変わりますが、数日のうちにはおさまります。
もう一つが、一日の地表面の温度差によって起こる風で、夜吹く陸から海へ向かっての陸風と、昼間吹く海から陸へ向かってので海風があります。昼と夜とで風向が逆に入れ替わる風です。海岸に近いほどはっきりわかる風になります。
2)小さな「風の通り道」 大きな風の通り道であっても、山谷、丘陵や建物によって、地表近くを吹く風の方向・強さが決まります。また、都会の高層ビルの集まった地域や関東平野や大阪平野のように、昼間に地表が太陽で暖められて上昇気流が起こり、これに引かれて周辺から吹き込むような風もあります。 小さな風の通り道は地表の状態で決まり、丘陵の斜面沿い、谷沿い、高い建物の間などが通り道になります。
3)生活の中から「風の通り道」を探す 毎日の通勤・通学でとおる道にも、全く風のないところや、なぜかいつも風のあるところがあると思います。 また、住宅・建物の周囲をぐるっと回っても、よく風がふいている部分が見つかると思います。そこが、風の通り道と考えられます。 では、一体どのくらいの風の強さなのでしょうか? 日頃の生活シーンから、風の強さを推定してみましょう。
●顔に風を感じて、木の枝先の葉は動くが枝自体が動くほどではない。 窓を開け放しにしていても特に気にならない程度の風。 ――>2〜3メートル/秒。WG30-20では、10W程度の発電量になる。
●木の細い枝が動く。 窓を開け放しではいられなく、半分もしくは1/3くらいまで閉める風。 ――>4〜5メートル/秒。WG30-20では、40〜90W程度になる。
●砂埃が立ち、紙片が舞い上がり、窓を開けていられない。 洗濯物がパタパタはためく。 ――>6〜8メートル/秒。WG30-20では、180〜450W程度になる。
●もっと強い風は吹くほうが発電量は多くなるが、 年中強い風が吹いている場所は日本国内では限られる。
さて、あなたの生活の中にはどれくらいの風が身近にあるでしょう。 風の通り道も、身近に見つけられますか?
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◆『そよ風くん』の発電量を予測
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2004/07/30
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気象庁によるアメダスの観測地点は20km毎にひとつ設置されており、約800地点で気温・降水量・風・日照などの気象4要素が観測されております。 853地点の風速・風向データをもとに、そよ風くんの年間発電量を予測したデータを準備しております。また、平均風速0.5m/sごとにそよ風くんの発電量を予測したデータも準備しておりますので、お申し付け下さい。
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◆滑川高校にそよ風くん2基設置/埼玉県の補助金
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2004/07/23
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埼玉県の「県立高校特色化企画事業」に対して55校が応募し、4校が採用され、その1つに滑川高校の自然エネルギーを活用したエコ・ハイスクール事業があります。 滑川高校は、身近な資源の新たな利用形態を学習し自然エネルギーの可能性を学べる環境教育を行なうことを目的に埼玉県の教育局・教育委員会の賛同を得て、風力発電装置を設置しました。 滑川高校は、自然エネルギー活用と環境教育について熱心で、埼玉県の教育局・教育委員会にエコ・ハイスクールのプレゼンテーションを実施しています。また、自然や環境に対する生徒の関心を高め、地域における環境教育、循環型社会形成の推進、生徒、保護者、地域住民への学習機会を提供し、小中学校との連携を図りながら地域の環境教育の推進に貢献できると考えています。
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◆風のミュージアムが一般公開
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2004/07/12
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三鷹市上連雀の私立大成高校に、さまざまな実験装置を使いながら『風』について科学的、体験的に学べる『大成風のミュージアム』が完成、6 月に一般公開されました。 屋上に神鋼電機の“そよ風くん”が大、中、小と3 基設置され、風のミュージアムにある実験装置の動力源に利用されています。 風のミュージアムには、風の誕生から利用にいたるまで大変豊富な展示があります。 ・風の姿を知る ・風のエネルギーを利用する ・風のある世界で生きる ・発表ギャラリー ・風を五感でとらえる ・ワークショップと風のかたち ・日本の技術力を見せたい 風力発電のことを知るには先ず、風とは…ということから始めたらと思い、風のミュージアムをご紹介いたしました。
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